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帰ってきた雑ぴん愚日記


すっかりフィギュアのことばかり書いてますが旅行も好きさ
by miyabin-k
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フィギュア男子の「4回転論争」を見ていて思うこと

えー。突然ですが、うちのPCメビ子が先週、昇天なさいました・・(崩れ落ち)

PCに詳しい友人に色々助けを求めたりもしたんですが、とりあえず自力復旧はほぼ無理だと判明。
近日中に修理の旅へと出す予定ですが、とりあえずブログにUPしようと思って書いてあったものがUSBに残っていたので、それだけは上げときます。(今は、友人のPCを使わせてもらっている・・ 涙)


さてバンクーバー五輪も閉幕し、全種目でメダリストが確定しました。

しかしフィギュア界は、終わった直後から、エライことになってますねえ・・。(ようやく多少下火になったといえばなりましたが)

4回転を入れずに金を取ったライサチェク、入れて銀だったプルシェンコ、それぞれが各々の言い分を主張し、それが次第に周囲を巻き込んでの大論争。プルが、「クワドを跳ばないならそれは男子フィギュアでない。アイスダンスだ」と言えば、ライサも「クワドはフィギュアスケーティングの単なる要素の1つで、フィギュアのプログラムはそれだけで競うものではない」とか会見開いてるし・・。

確かにクワドを跳んだからと言って、今回のプルの不安定なFP演技で金が取れたかと言えば疑問ですが、4跳ばないライサ(・・ほぼ完璧に滑りきったのは素晴らしかった!)が金を取ったことに、不満を持つ人がいるのも分からないでもないです。正直、今回ライサのFPは、「クリーンだったなー」てことしか印象に残ってない・・・。09ワールド金の時のラプソディーインブルーは、全身から滲み出る気迫、根性降りの3A、天を突くガッツスピンとか結構細部まで覚えているのに、つい1週間前のライサFP演技の記憶が既にほとんどないってどんだけ・・・。(ごめんライサ) とりあえず私は、男子にはクワドを跳んでほしい派ですが、とは言え、もしも今回の五輪で「ジャンプ着氷乱れまくりでTR微妙。でもやっぱクワドを入れたからプル金!」という結果だったら、それはそれで「えええ!?」となっただろうと思うし。

だいたいこの騒動、元はと言えばフィギュアスケートにクワドが必要かという議論と、4回転と3回転の点の出方についての議論がごっちゃにされてるような気がするんですよね。だからいっそうおかしなことになっているのであって、4回転の意義と採点方法の問題とは、別に考えない限り、両者の言い分は永遠に平行線だろうなあ・・。

単なるスケヲタ一個人の意見としては、男子のクワドは現在試合で跳べる人が限られている大技で、しかも失敗した時の身体へのダメージは他のジャンプに比べても極端に大きい、非常にリスキーな技にも関わらず、成功しても基礎点が低い・・・と思いますやっぱり。何も、ロシアのようにクワドボーナスで+3付けろとまでは言いませんが、0.5~1点くらいは上げても良いんじゃないかなぁ。(参考:現行では3Lz=6.0点、3A=8・2点、4T=9.8点)

男子に限って言えば、3Aは高難度ジャンプとはいえ、現在、世界トップレベルの選手にとってはほぼ必須に近いエレメンツ。 それに比べ、4回転は試合でコンスタントに成功できる選手が数名しかいないジャンプになってしまってます(練習で跳んだものは別として)。その割に、4Tと3Aとの差は1.6点、3Lzとの差は3.8点。現行ルールでは、例えば4Tを跳んでも、着氷が乱れてGOE-1が付いた場合、美しい3LzでGOE+1.8くらい付けば、実質1点差になるんですよね(3Aなら逆転)。多くの選手にとって、3Lzに挑戦するプロと4Tに挑戦するプロでは、試合前のメンタル面、試合中の体力配分に雲泥の差がある上、さらにクワドを転倒などで失敗、そこに回転不足の認定がなされてしまえば、それだけで一気に9点近く失ってしまう諸刃の剣なのです。(例えば今回高橋選手のFP冒頭のクワド得点は、DGにより3回転認定(基礎点4.0)された上、失敗ジャンプとしてGOEがそこから-3引かれ計1点。さらに転倒によるディダクション-1が別について実質0点)。このような多大なリスクを背負って、なおクワドに挑戦するほどの旨みは、現行ルールでは選手にとってほとんどありません。つまり今のクワドは、「挑戦しない方が得」なジャンプになりつつあるのです。・・もちろん挑戦し続けている選手も居るんですけども。

02年ソルトレーク五輪で4位だった本田武史選手(SPとFPでクワド入れていた)が、03年四大陸で、日本人として初めて国際大会でFPに3回クワドを入れ成功させた、あの空中戦の時代を思うとちょっと隔世の感があります(1つのプロに3回クワドを入れ成功させた選手は今でも世界で4人だけ)。 まさかテケも、たった7年後、五輪でクワドレスの金メダリストが現れるとは思わなかったろうなあ。もちろん、ジャンプ以外の要素が当時と比べいっそう複雑なものが求められるようになっている以上、その辺りのバランスを取るのは非常に難しいし、4回転や3Aは常に怪我の危険とも隣り合わせ。実際、ソルトレーク五輪時代のトップスケーター(プル、ヤグ、本田etc・・)達は、膝・腰・関節その他、身体中がもうボロボロなんですよね・・。3回転時代のスケーター達が、30代後半、40代になってもショーなどで往年の華麗なスケーティングを見せてくれるのに比べ、4回転時代のスケータ-達は、まだまだ若いにも関わらず、もはや満身創痍。(プルが、今回の五輪の公開練習時間を極端に短くしたり、4回転をFPに2回入れなかったのは、体が実はもう限界だったから、という説も一部にはある・・)

こうなったら、無理だとは分かっていても、いっそ全員同じエレメンツで競えば?と思ってしまう時があります。例えば、転ぼうがどうしようが全員4回転一度は必須とか、逆に4回転は全員禁止、とか。(←無茶だけど) もちろん実際に全員4回転必須とかになったら、第1、第2グループ辺りは、阿鼻叫喚(シュルタイスのプロに非ず)の渦になりそうで、それはそれで怖いもの見たさもちょっとあるけど(笑)。

まあ、ここでどんなにゴチャゴチャ書いたところでルールが変わる訳でも、現状が変わる訳でもないのは重々承知しているんですが、ファンとしては、クワドに挑戦し続ける選手のモチベーションを下げることだけはして欲しくないなあ。

 やっぱり、成功!というだけで見てる方のボルテージも一気に上がる4回転という大技。ISUは、このジャンプに挑戦する選手の努力を無意味なものだけにはして欲しくないです・・いやホント。
by miyabin-k | 2010-03-03 18:54 | スポーツは観戦派
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